SGT Round3 FUJI GT 350km RACE / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
SGT Round3 FUJI GT 350km RACE / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
ドライバー
吉本 大樹 選手
河野 駿佑 選手
今回のレースについて
6月1日-2日に鈴鹿サーキットで開催されたAUTOBACS SUPER GT第3戦から2ヶ月のインターバルを経て、第4戦「FUJI GT 350km RACE」が8月3日(土)-4日(日)の2日間に掛けて富士スピードウェイで開催されている。
前戦はまだ全国的に梅雨入りしておらず、初夏の快適な天候のもとでの大会だった。だが2ヶ月で季節は進み、今回は梅雨が明けから2週間ほど経過した夏らしい酷暑の中での一戦となった。
LMcorsaの前戦は予選こそパフォーマンスを発揮できなかったが、決勝レースではドライバーもチームもミスなく走り切ると10位となり、久々のポイント獲得となった。チームは2ヶ月のインターバルの中で前半3戦を振り返るとともに、新たなセットアップのトライも行なう。
迎えた第4戦は、8月3日(土)に公式練習と予選、4日(日)に350kmの決勝レースが開催される。今季の決勝レースは3つのフォーマットが採用されていて、開幕戦の岡山国際サーキットはオーソドックスな300km、第2戦富士スピードウェイと第3戦鈴鹿サーキットはタイムレースとなる3時間、そして今戦は350km。
通常の300kmから走行距離が50km延長される。ピット回数や規定は300kmと同様なので、1つのスティントが長くなる。ギャンブル性のあるピット戦略を採ることが難しく、よりマシンのポテンシャルとチーム力が重要となるはずだ。
公式練習
走り始めとなった公式練習は、9時から10時45分の1時間45分にわたって行なわれた。まずは吉本大樹選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り、持ち込みの状況を確認する。小刻みにピットインを繰り返してセットアップの調整やタイヤのチェックを実施すると、21周目に自己ベストタイムの1分39秒712をマーク。だが、GT300クラスの27台中21番手のタイムで上位陣には差を付けられていた。
公式練習の開始から約1時間が経過したところで、河野駿佑選手がステアリングを握った。ユーズドタイヤだが予選シミュレーションも行ない、1分39秒345のベストタイムを32周目に記録した。それでもポジションは22番手で、予選に向けては不安の残る公式練習となった。
公式練習のあとには、FCYテストとサーキットサファリが実施され、ともに河野選手がステアリングを握り、バランスを含めてセットアップの調整を繰り返した。
予選:16位
予選は今季から2人のドライバーが記録したタイムを合算しているが、併催カテゴリーの決勝レースでコース上にオイルが撒かれてしまった。公平性を期すために、今回は2組に分けられたマシンの上位8台ずつが予選Q2のグループ1に進出し、その16台がマークしたタイムがリザルトとなった。
予選Q1のB組に振り分けられたSyntium LMcorsa GR Supra GTは、河野選手がステアリングを握った。アウトラップから3周にわたってウォームアップを行なうと、計測3周目にアタックを開始する。まずは1分39秒201をマークし、公式練習のベストタイムを上回る。翌周のセクター2ではその時点でのベストタイムをマークし、1分38秒790までタイムアップ。計測5周目もアタックを続けると、セクター1と3で自己ベストタイムを更新し、わずかだが1分38秒706までタイムを伸ばす。結果としてB組の5番手で、予選Q2グループ1への進出を果たした。
GT500クラスの予選Q1やGT300クラスの17番手以下を決める予選Q2グループ2に続いて、GT300クラスのポールポジションを決めるグループ1の予選Q2が始まった。Syntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ吉本選手は、好調だった予選Q1と同じセットアップで臨む。河野選手と同様の計測3周目からアタックをすると、まずは1分39秒458をマーク。翌周も1分39秒283とわずかにタイムアップを図るが、グリップ感がなくこれ以上のタイム更新ができなかった。予選Q1とコンディションが変わっていたことが想定されるが、本来のパフォーマンスを発揮できずFUJI GT 350kmRACEの予選は16位となった。
明日は350kmの変則的な決勝レースとなり、チーム力やタイヤの性能や勝敗をわけることになるはず。LMcorsaの強みを活かして、2戦連続のポイント獲得を目指す。
決勝:14位
4日(日)は午前中にサポートレースの決勝レースが実施され、決勝レース前のチェック走行となるウォームアップが13時から20分間で開始。スタートドライバーに起用された河野駿佑選手が、まずはSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込み6周を走行すると、吉本大樹選手も続けて4周を走った。路面温度が50℃を超える厳しい環境だったが、GT300クラスの27台中10番手のタイムをマークし、決勝レースへ向けて準備は整った。
ウォームアップ走行後にはスタート進行のセレモニーが始まり、350kmの決勝レースは予定通りの14時30分にフォーメーションラップが開始された。
16番手からスタートした河野選手は、オープニングラップを順調に走り切ると2周目には1台をパスするとと、先行車が接触したために13番手に浮上する。5周目には自己ベストタイムとなる1分40秒231をマークし、先行する5号車のMC86をテールトゥノーズで追う。GT500クラスのマシンと交錯しだすとさらに差が縮まり、15周目にはサイドバイサイドの争いとなる。5号車はSyntium LMcorsa GR Supra GTよりストレートスピードが伸び、コーナーで並び掛けても抜ききれない。それでも17周目にパスして12番手に浮上すると、今後は6号車のフェラーリ296GTBに迫っていく。しかし、25周目にはGT300クラスのマシンがコース脇に止まったためにFCY(フルコースイエロー)が提示される。27周目にレースがリスタートすると、規定のドライバー交換を行なうために数台のマシンがピットに向かった。先行していたマシンがピットに入ったこともあり27周目には10番手に浮上し、チームは30周目にピットインの指示を出した。
ピットでは河野選手から吉本選手にドライバー交替を行ない、給油と4本のタイヤ交換をミスなく実施。コースに復帰したときには17番手となっていたが、まだピット作業を行なっていないマシンもいるため、トップ10圏内も現実的な展開となった。しかし、ニュータイヤでペースを上げたいところだが、前半のスティントよりも遅い1分41秒台での周回となる。34周目には河野選手がパッシングした5号車に抜き返されると、40周目には62号車のGT-Rにもかわされる。全車が規定のピットインを終えた45周目には、スターティンググリッドと同じ16番手となっていた。吉本選手はペースを上げようとするもののグリップ感が薄くタイムアップが図れない。後続のマシンとはギャップがあり、抜かされることはなかったが、先行しているマシンにも追いつかない。終盤も単独での走行が続き、先行していたマシンにペナルティやトラブルが発生したために14番手まで浮上。目標としていた10位以内には届かず、70周目に14位でチェッカーを受けた。
後半のスティントを担当した吉本選手は40周を走行したが、最初から最後まで同じペースでの走行となった。想定していたペースではなかったものの、性能が落ちることはなく、これまでと異なる感覚をドライバーもチームも得ている。今戦は2ヶ月のインターバルがあり、セットアップも装着したタイヤも挑戦的な部分があった。良い部分も発見できているので、次戦で雪辱を果たしたいところだ。