スーパー耐久シリーズ2024 第4戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race / Syntium Apple KTM #2号車
スーパー耐久シリーズ2024 第4戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race / Syntium Apple KTM #2号車
ドライバー
井田 太陽 選手
加藤 寛規 選手
高橋 一穂 選手
吉本 大樹 選手
今回のレースについて
開幕2戦で悩まされたトラブルを解消し、第3戦オートポリスではきっちりと走り切ることができたシンティアム アップル KTM。この調子を維持すべく臨んだ第4戦の舞台は、栃木県のモビリティリゾートもてぎ。ブレーキにも厳しいコースではあるが、夏の開催では暑さも堪えるレースだ。
そんな一戦に向け、チームは9月5日(木)の特別スポーツ走行に臨んだ。走行初日から晴天で蒸し暑さのなかでの走行となったが、加藤寛規と吉本大樹がドライブ。47周を走り、2分00秒462というベストタイムを記録した。
明けた9月6日(金)のもてぎも晴天。朝から酷暑となったが、チームは午前8時45分からの特別スポーツ走行はスキップし、午前11時からのグループ1専有走行、そして午後2時からの全クラス参加の専有走行に臨んだ。
午前は加藤と、この日から参加の井田太陽がドライブし、午後からは高橋一穂が参加。高橋、井田、そして吉本がドライブ。午前は1分59秒875、2分01秒183というベストタイムを記録した。
渡邊信太郎エンジニアは、1日半の走行を通じ「トラブルもなく順調です。ドライバー4人も、昨年より速いタイムで走ってくれています」と振り返った。
ただ、タイヤのデグラデーションが大きい状況。「決勝セットが重要ですね」と渡邊エンジニアは語った。
予選:1位
1日半の走行を経て、迎えた9月7日(土)は、通常ならばフリー走行と予選のみだが、今回はスーパー耐久では初めてのワンデーレース。午前8時から公式予選を迎えた。
この日もモビリティリゾートもてぎは快晴となり、朝から気温がグングンと上昇。酷暑のなかではあったが、シンティアム アップル KTMは、まずはAドライバー予選に井田が出走した。通常とは異なり、グループ1の全車が出走する予選となったが、前日まで取り組んだセットアップも功を奏し、まずは1分57秒 817というタイムを記録。ST-X車両にも2秒差につける好アタックをみせた。
さらに、Bドライバー予選では加藤が1分57秒228を記録。これでST-X勢に続く総合5番手から決勝レースを戦うことになった。続くC・Dドライバー予選でも、高橋が2分02秒856を記録。わずか1時間40分後にスタート進行が始まる決勝レースに向けて、シンティアム アップル KTMは、決勝レースに向けしっかりと準備を整えて公式予選を締めくくった。
決勝:1位
午前9時50分に公式予選が終わった後、慌ただしくピットウォーク、そして午前11時30分から行われたスタート進行をこなし、午後0時30分、いよいよ5時間の決勝レースの火ぶたが切って落とされた。
渡邊信太郎エンジニアが週末を通じてさまざまなセットアップを施してきたシンティアム アップル KTMは、この決勝レースで、今季何度も挑戦してきたST-Zクラス車両を“仮想ライバル”とするレースに臨んだ。速さではシンティアム アップル KTMに分があるが、ST-Z車両はピットイン回数が1回少ない。これを上回るレースをするのが目標だ。
そんなレースに向けスタートドライバーを務めたのは吉本。ふだんは井田がスタートを担当しているが、午前から気温は30度を超えており、最も暑い時間帯を吉本が担当。その後加藤、高橋と繋ぎ、最後は井田で締めくくるという作戦だ。
吉本は期待に応え、2周目に1分59秒688というベストタイムを記録。多くのラップダウン車両をかわしながら30周まで走行を進めたが、持ち前のスピードでST-Z車両をラップすることに成功する。
ピットインした吉本に代わりドライブしたのは加藤。スティント中にはパーツ回収やデブリ回収などフルコースイエローが入ることがあったが、加藤は冷静に対処。33周を走り、今度は高橋にステアリングを託した。雲が増え気温も下がり、ドライブには良いコンディションとなっていた。
高橋はスティント序盤こそ好調な走りをみせたが、レースも後半を迎え、コース上にはタイヤカスが多く、ピックアップと呼ばれる症状が出ていた。ピックアップへの対処は高橋にとっては苦手分野で、少しずつペースは苦しくなってしまった。
しかしそれでも、高橋はスピンやコースアウト等なく、30周を走破。最後のスティントを井田に託した。
レース終盤、井田は少しずつ水温が高くなっていくのを感じ、ペースをコントロールしつつ、労りながらシンティアム アップル KTMをチェッカーに導いた。140周を走破し、順位は総合4位。当初目標としていたST-Z車両を上回る結果を残してみせた。酷暑のなか、チーム全員がノーミスで戦い抜き、会心のレースを終えることになった。