スーパー耐久シリーズ2025 第1戦 もてぎスーパー耐久 4 Hours Race / Syntium Apple KTM #2号車
スーパー耐久シリーズ2025 第1戦 もてぎスーパー耐久 4 Hours Race / Syntium Apple KTM #2号車
ドライバー
井田 太陽 選手
加藤 寛規 選手
高橋 一穂 選手
吉本 大樹 選手
今回のレースについて
11月に閉幕した2024年シーズンから約4ヶ月。
スーパー耐久シリーズは2025年開幕戦となる第1戦を迎えた。開幕戦の舞台は、栃木県のモビリティリゾートもてぎだ。Ks フロンティア KTMカーズは、今季もシンティアム アップル KTMでの挑戦をスタートさせた。今季もステアリングを握るのはTAIYO IDA、加藤寛規、高橋一穂、吉本大樹という4人だ。
チームにとってはST-1 クラス5連覇がかかるシーズンだが、今季は昨年とは様相が異なる。2023年までシリーズを争った#47 D’station Racing がシリーズに復帰。それも、ポルシェという強力な車両を用意してきたのだ。Ks フロンティア KTMカーズにとっては強敵だが、一方で歓迎すべきライバルでもある。ライバルとの力関係を推し量るべく、3月20 日(木)〜21 日(金)の特別スポーツ走行、専有走行に臨んだ。
春を感じさせる暖かさのなか、初日は加藤と吉本が走行を担当。2 日目の専有走行には井田と高橋が合流し、午前は井田と加藤が、午後は高橋と吉本が走行した。
高橋の走行時には、最終ビクトリーコーナーでグラベルにストップしてしまうシーンもあったが、幸いすぐに再走している。
順調に走行を進めてはいるものの、今季は性能調整で重量の増加などの変化があり、ドライバーもそれを実感。また#47ポルシェの方が直線が速い。タイムも僅差ではあるがライバルに先行を許す状況だった。

予選:1位
今回の第1戦は変則的なスケジュールで、3月22日(土)はシンティアム アップル KTMが走るレース2は45分間のフリー走行のみ。このセッションをこなし、3月23日(日)の午前8時30分からスタートした公式予選に臨んだ。
この日も初夏のような暖かさのなか、まずはAドライバー予選で井田が1分57秒644という好タイムを記録。#47ポルシェを僅差で上回ってみせる。
続くBドライバー予選では、ライバルの#47ポルシェはジェントルマンドライバーということもあり、1分57秒184を記録した加藤が0.829 秒差という貫禄のタイム差をつけ、シンティアム アップル KTMがST-1クラスの開幕ポールポジションを獲得した。
C・D ドライバー予選では吉本が1周で計測を終え、すぐに高橋に交代。2分01秒560というベストタイムを記録し、公式予選を終えることになった。
ただ、C・D ドライバー予選では#47ポルシェがプロと若手が乗り速い。トータルすると2台の差は、やはり僅差であることを感じさせる公式予選となった。


決勝:1位
公式予選終了からわずか2時間ほどというインターバルで迎えた4時間の決勝レース。#47ポルシェがAドライバーをスタートに据えたことに対し、シンティアム アップル KTMは吉本をスタートに起用。序盤からグイグイとギャップを広げ、10周で20秒以上の差を築いていった。
吉本は順調にレースを進めると、32周を終えピットイン。加藤寛規にステアリングを託す。先にピットインしていた#47ポルシェに対してこの時点で非常に大きなギャップを築いており、スタートから2時間強でジェントルマンドライバーをふたり繋いだ#47ポルシェに対し、吉本、加藤と繋いだシンティアム アップル KTMが、レース後半いかにそのリードを守っていくかがポイントと言えた。
68周を終えて、加藤は長いスティントを終えてピットイン。高橋にステアリングを託した。シンティアム アップル KTMがピットアウトすると、そのギャップはおよそ1周とメインストレート1本分。74周目にはラップダウンが解消されてしまったものの、高橋は動じることなく着実なペースで周回を重ねて行った。
83周を終えて高橋は自らのスティントを終えピットインし、最後の1時間を井田に委ねた。一時はシンティアム アップル KTMが#47ポルシェの先行を許したものの、相手が規定のピットインを終えてみると、ふたたび44秒以上のギャップを築いてみせた。
井田は最後まで集中を切らすことなく、トータルで116周を走破しチェッカーフラッグを受けた。結果的に#47ポルシェとは1周差をつけての勝利となったが、ドライバーたちはレース後、「まだ向こうは安定していないだけ」と開幕戦勝利にもまったく安心していない様子をみせた。特に、#47ポルシェがレース後半に記録した1分58 秒534 というファステストラップは、吉本が記録したシンティアム アップル KTMのレース中最速タイムを上回るものだった。
とはいえ、速いライバルの登場はよりチームの力を高める。特に、今回は昨年課題としていたST-Zクラスを上回ってゴールをするという目標もしっかりと達成した。今季のターゲットである5連覇へ向け、Ks フロンティアKTMカーズは、さらなる総合力向上に向け次戦も取り組んでいく。
