スーパー耐久シリーズ2023 第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24Hours Race/Syntium Apple KTM #2号車
スーパー耐久シリーズ2023 第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24Hours Race/Syntium Apple KTM #2号車
ドライバー
井田 太陽 選手
加藤 寛規 選手
高橋 一穂 選手
吉本 大樹 選手
小林 崇志 選手
今回のレースについて
2023 年のENEOS スーパー耐久シリーズは、第1戦鈴鹿から約2ヶ月のインターバルで、シリーズのハイライトとも言える第2戦NAPAC 富士 SUPER TEC 24 時間レースを迎えた。獲得できるポイントも大きく、この一戦を制することができれば、悔しい結果となった第1戦で負ったライバル#47 アストンマーティンに対するビハインドを取り戻すことができる。
そんな一戦だが、3月の第1戦以降、スーパー耐久シリーズ全体の問題ともなったコントロールタイヤ変更にともない、このレースからブリヂストンのスリックタイヤが使用されることになった。タイヤの特性が異なれば、セットアップ変更も必要となってくる。チームは5月24 日(水)からスタートした専有走行から、タイヤの比較や車高の調整などを行っていった。
今回のレースでは、4人のドライバーたちに加えて、今季も小林崇志という頼もしい助っ人を起用しているが、走行初日は吉本大樹と小林がドライブ。さらに5月25 日(木)の専有走行1回目では井田太陽と加藤寛規が、2回目では井田と小林がドライブ。夜間走行では全員が交代しながらドライブし、良い手ごたえを得ることができていた。特に鈴鹿に続いて井田のスピードが秀逸で、チームは好フィーリングを得て専有走行を終えた。
ただ、気になったのはタイヤカスが走行中のタイヤの表面についてしまうピックアップの問題。ジェントルマンドライバーには課題とも言えた。
予選:1位
2日間の専有走行を経て、迎えた5月26 日(金)は、午後0時から公式予選が行われた。まずスタートした。
Aドライバー予選でステアリングを握ったのは井田だが、専有走行から好調な井田は1分44 秒001という素晴らしいラップを記録。#47 アストンマーティンに対し先行してみせた。
続くBドライバー予選でも、加藤が1分44 秒679を記録。こちらも#47 アストンマーティンを上回り、シンティアム アップル KTM は合算でST-1 クラスのポールポジションを獲得した。しかし、Bドライバー予選でまさかのピットレーン速度違反のペナルティを課されてしまった。これで決勝レースのグリッドでは#47 アストンマーティンにクラス最上位を譲ることになってしまった。
とはいえ、地力のスピードは間違いない。それはCドライバー予選の吉本、Dドライバー予選の小林のタイムでも証明された。E・Fドライバーのフリー走行では、高橋一穂が16 周と多くのラップをこなし、決勝に向けて自信を深めて予選日を終えることになった。
決勝:1位
迎えた5月27 日(土)。午後3時にフォーメーションラップのスタートが切られた決勝レースのスタート。ドライバーを務めたのは井田だ。序盤こそ#47 アストンマーティンに対してリードを許したものの、井田のペースも良く、4周目には#47 アストンマーティンをかわし早々に総合の上位争いに食い込んでいった。
井田はいきなりのダブルスティントをこなし、その後も高橋が早々にドライブ。しっかりと繋ぎながら、ナイトセッションに入っていく。ただ、スタートから5時間が近づこうかというころ、レースはセーフティカーランになるなど荒れ始めた。その後1時間後には、吉本のドライブ中に接触により右フロントを破損。このダメージ修復を強いられてしまった。
しかし、その後は大きなトラブルやアクシデントはなくレースを進めていった。特に今回もチームに加わった小林が夜間走行をしっかりと担当した。
そんななか、午前3時30 分が近づこうかというタイミングで、ダンロップコーナーで発生したアクシデントの影響で、午前4時を前に、ガードレール補修のために一時レースは赤旗中断となった。
午前5時の再開後も、シンティアム アップル KTMは着実にレースを進めていった。ライバルの#47 アストンマーティンは接触によるダンパーのトラブルやパワステのトラブルに悩まされ、大きなギャップがついていった。細かなトラブルはあれど修復を要する作業はなく、着実にレースを進めていけば、勝利が近づいていった。
しかしレース終盤、残り2時間が近づこうかというタイミングで、シンティアム アップル KTM は緊急ピットインを強いられた。10 分間のメンテナンスタイム時にブレーキに不安があったことが判明していたのだが、毎回タイヤ交換時にチェックしていたものの、終盤やや危険な状態があるとジャッジが下されたのだ。
とはいえ、#47 アストンマーティンとは1時間ほどのマージンがあった。そこでしっかりとフィニッシュすることを優先し、フロントのブレーキローターとパッドの交換を行った。その甲斐もあり、シンティアム アップル KTM は694 周を走り切りフィニッシュ。この富士SUPER TEC 24 時間レースで嬉しい3連覇を果たすことになった。
獲得ポイントが大きい富士を制したことでポイントランキングでも首位に立つことに成功したが、#47アストンマーティンも2位でフィニッシュ。しっかりとポイントを稼いでいる。2台のみのクラスだが、だからこそポイントは失うことができない。今季初勝利をさらなるバネとし、チームは第3 戦SUGO に臨む。