SGT Round8 MOTEGI GT 300km RACE / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
SGT Round8 MOTEGI GT 300km RACE / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
ドライバー
吉本 大樹 選手
河野 駿佑 選手
今回のレースについて
今季のSUPER GTはシーズンの折り返しとなった第5戦以降、悪天候に見舞われることが多く、8月末に開催予定だった鈴鹿サーキット戦は台風の影響によって12月7日-8日に延期されている。そのため、今回のモビリティリゾートもてぎ大会が最終戦ではなくなった。
ここまで6戦を終了してトップ10内の入賞が3回となっているLMcorsaは、獲得できたのが4ポイントで、本来はもっと上位のリザルトを狙っていた。ただ、直近のオートポリスやスポーツランドSUGOでは、ウエットコンディションの中で好調さを示していて、状況によってはマシンのパフォーマンスが出ているようだ。
公式練習
さて、3戦連続で天候の影響を受けてきたSUPER GTだが、第8戦の公式練習と予選日となった2日も台風から変わった低気圧によって朝から雨模様となった。
SUPER GTの公式練習が始まる前には併催カテゴリーの決勝レースが予定されていて、雨は降り続いていたもののスケジュール通りにスタートが切られた。
朝から雨量は変わらなかったがGTマシンの走行ができるという判断となり、公式練習は予定された9時にスタート。10時45分までの105分間にわたって行なわれることとなっていた。まずは、レインタイヤを履いて多くのGTマシンがコースインするが、すぐにGT300クラスのマシンがコース上に止まったために赤旗が提示される。6分間の中断を経て公式練習は再開されるが、次第に雨量が強くなっていく。Syntium LMcorsa GR Supra GTには吉本大樹選手が乗り込み、マシンのチェックを兼ねて走行していく。計測4周目には2分01秒939をマークし、GT300クラスの27台中5番手のタイムとなる。その後はコースオフしたマシンの回収や雨量の増加によって4回のセッション中断を挟み、またしても荒天に翻弄されることとなった。難しいコンディションとなった中でもSyntium LMcorsa GR Supra GTは好調さをみせ、周回は6ラップと少なかったが2分00秒109が自己ベストタイムで公式練習を5番手で終えた。
予選:20位
予選は今季から2人のドライバーが記録したタイムを合算しているが、併催カテゴリーの決勝レースでコース上にオイルが撒かれてしまった。
公平性を期すために、今回は2組に分けられたマシンの上位8台ずつが予選Q2のグループ1に進出し、その16台がマークしたタイムがリザルトとなった。
予選Q1のB組に振り分けられたSyntium LMcorsa GR Supra GTは、河野選手がステアリングを握った。アウトラップから3周にわたってウォームアップを行なうと、計測3周目にアタックを開始する。まずは1分39秒201をマークし、公式練習のベストタイムを上回る。翌周のセクター2ではその時点でのベストタイムをマークし、1分38秒790までタイムアップ。計測5周目もアタックを続けると、セクター1と3で自己ベストタイムを更新し、わずかだが1分38秒706までタイムを伸ばす。結果としてB組の5番手で、予選Q2グループ1への進出を果たした。
GT500クラスの予選Q1やGT300クラスの17番手以下を決める予選Q2グループ2に続いて、GT300クラスのポールポジションを決めるグループ1の予選Q2が始まった。 Syntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ吉本選手は、好調だった予選Q1と同じセットアップで臨む。河野選手と同様の計測3周目からアタックをすると、まずは1分39秒458をマーク。翌周も1分39秒283とわずかにタイムアップを図るが、グリップ感がなくこれ以上のタイム更新ができなかった。予選Q1とコンディションが変わっていたことが想定されるが、本来のパフォーマンスを発揮できずFUJI GT 350km RACEの予選は16位となった。 明日は350kmの変則的な決勝レースとなり、チーム力やタイヤの性能や勝敗をわけることになるはず。LMcorsaの強みを活かして、2戦連続のポイント獲得を目指す。
決勝:12位
決勝日となった3日(日)は、前日から一転して秋晴れという表現が相応しい天候となる。午前中から多くのSUPER GTファンがモビリティリゾートもてぎを訪れ、3万人が決勝レースを見届けた。8時台のサポートレースに続き、ピットウォークや自衛隊の戦闘機によるウェルカムフライトなどでサーキットが盛り上がると、11時30分からウォームアップ走行が始まる。
Syntium LMcorsa GR Supra GTには吉本大樹選手が乗り込み5周を走ると、河野駿佑選手も最終のチェックを行ない300kmの決勝レースに備えた。
約1時間のスタート進行を挟み、第8戦の決勝レースは13時にスタートを切る。ファーストスティントを担当したのは吉本選手で、20番手からポイント圏内を目指した。オープニングラップはポジションを守るが、2周目には加速性能に勝る56号車のNISSAN GT-Rにパスされてしまう。それでも、6周目と8周目に先行していたマシンにトラブルが発生し19番手で浮上。
序盤はタイヤの内圧が上がらず苦労したというが、10周目を越えると単独となり、11周目には1分52秒091の自己ベストタイムを記録する。GR Supra GTはGT3勢との混走だと長所を活かしづらいが、単独だとライバル勢を上回るラップタイムで周回できる。16周目には先行していたマシンに追いつきテールトゥノーズの状況となる。19周目になると義務となっているドライバー交代と給油を行なうために数台のマシンがピットイン。
吉本選手はペースが鈍ることなく周回をしていき、20周目には14番手、25周目には5番手まで順位を上げてピットロードへマシンを進めた。ピットでは4本のタイヤ交換と給油を実施し、後半のスティントは河野選手が担当した。チームはこのピット作業を敏速に済ませ、ピットイン前のポジションから4つ上げる15番手でコースに復帰させた。
河野選手はアウトラップで1台にパスされるが27周目、28周目に続けて自己ベストタイムを更新していき先行しているマシンとのギャップを縮めていった。30周目を越えてもペースは落ちず、トップ10圏内のマシンと遜色ないラップタイムを刻む。41周目にはGT300クラスのマシンがコースオフしたためにFCYが提示される。翌周にはFCYが解除されてレースが再開すると、45号車のFERRARI 296とのバトルとなり50周目の1コーナーでパスして13番手に浮上。さらに55周目にはペースが鈍っていた2号車のGR86 GTを抜き12番手となり、ポイント圏内が見え始める。そして58周目には11番手の31号車 LEXUS LC500hにテールトゥノーズで迫るが、抜くまでにはいたらず12位でチェッカーを受けた。
予選では自信を持っていたウエットコンディションで想定外の失速となったが、決勝レースではチームとドライバーがミスなくゴールまでマシンを運んだ。心配されていたラップタイムの落ち込みもなかったが、20番手のスタートポジションからだと12位までの追い上げが精一杯となった。3戦連続でのポイント獲得は叶わなかったが、鈴鹿サーキットでの最終戦へ期待が持てる内容だったといえる。