SGT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL / Syntium LMcorsa LC500 GT #60号車
SGT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL / Syntium LMcorsa LC500 GT #60号車
ドライバー
吉本 大樹 選手
河野 駿佑 選手
今回のレースについて
ゴールデンウィークに開催されることが恒例となっているSUPER GT第2戦が、静岡県の富士スピードウェイで行なわれている。国内で開催されるモータースポーツの中でも屈指の集客数を誇る一戦であり、予選日だが多くのファンがサーキットに詰めかけた。今シーズンのSUPER GTは既報の通り第3戦マレーシア大会が延期となり、全7戦で争われることとなった。レースフォーマットは「300km」と「3時間」の2通りで構成され、今戦と第7戦オートポリスは3時間のタイムレースとして開催される。
開幕戦の岡山では予選で速さを見せながらも、決勝レースではロングランに課題を残し10位でフィニッシュしたLMcorsa。今回の富士ラウンドは、その改善度合いが結果に繋がることになるはずだ。
舞台となる富士スピードウェイでは3月に公式テストが行なわれており、Syntium LMcorsa LC500 GTは2番手タイムをマークするなど好調なパフォーマンスを示していた。テストで得られたデータをもとに、開幕戦で見えた課題への対応を進めてチームはマシンを持ち込んだ。迎えた「FUJI GT 3HOURS RACE GW SPECIAL」は、5月3日(日)に公式練習と予選、翌4日(月)に決勝レースが行なわれる。準備日となった2日(土)は全国的に気温が上昇し、場所によっては30℃を超える真夏日となるなど初夏を思わせるコンディションとなった。
公式練習
公式練習と予選が行なわれた2日も朝から快晴となり、20℃を超える気温と強い日差しのもとでセッションが始まる。
公式練習は10時30分からスタートし、LC500 GTには吉本大樹選手が乗り込みコースイン。まずは持ち込んだマシンの状態とタイヤのフィーリングを確認し、順調に走行プログラムを進めていく。今回は3時間の長丁場となることから、使用できるタイヤは6セットとなっていて、決勝を見据えたマネージメントが重要な要素となる。
吉本選手が周回を重ねていってメニューを消化すると、16周目からは河野駿佑選手へとドライバー交代。途中にはFCY(フルコースイエロー)のテストも実施され、レースを想定した走行が続けられた。セッション終盤にはGT300クラス専有の走行時間が設けられ、ニュータイヤを投入して予選シミュレーションを実施。河野選手は吉本選手のマークした1分37秒140に迫るタイムで周回し、安定したパフォーマンスを確認した。
最終的に公式練習は吉本選手のタイムがベストとなり、GT300クラス29台中12番手で終了。ただ、ドライバーからはリアタイヤのグリップ不足が課題に挙げられていて、公式練習後のサーキットサファリでもセットアップの調整を続けて予選を迎えた。
予選:7位
午前中は日差しがあったため気温が25℃に迫ると、路面温度は38℃まで上昇していた。だが、午後になると曇り空となり風も強まり、気温と路面温度ともに低下した状態での予選となった。
GT300クラスの予選Q1は2組に分けて実施され、LMcorsaはB組で出走。ステアリングを握る河野選手は、他車と約30秒の間隔を取ってコースインすると、アウトラップから3周でタイヤやブレーキをウォームアップ。計測3周目でアタックへ入った。
LC500 GTは高速コーナーのスピードを強みとしていて、セクター2で全体ベストタイムを記録。1分36秒058でトップに立つと、翌周のアタックではセクター1、セクター2で再び全体ベストを更新し、1分35秒525までタイムを短縮。最終的に後続に0.186秒の差をつけてB組トップで予選Q2進出を決めた。
GT300クラスの予選Q2開始前には小雨がぱらついたが、路面はドライコンディションを維持したままセッションはスタート。LC500GTに乗り込んだ吉本選手は、アウトラップと2周のウォームアップを経て計測3周目にアタックへ入る。
この周はストレートで追い風を受け、トップスピードは280km/hを記録。セクター2では全体最速タイムを刻んだものの、セクター3のGR GTコーナーでわずかにタイムロスがあり、この周はまとめ切ることができなかった。続く計測4周目ではセクター1、セクター2で再び好タイムを刻むと、セクター3もまとめ上げて1分35秒378を記録。上位グループに食い込む走りを見せた。翌周もアタックを続け、セクター1では自己ベストタイムを更新するが、セクター2、セクター3ではタイヤのグリップが低下し、それ以上のタイムアップは望めないと判断してアタックを止めてピットに戻った。
最終的にLC500 GTは7位で予選を終え、決勝レースは4列目からスタートする。富士スピードウェイは2021年に優勝を飾るなどチームと相性の良いサーキットであり、持ち味であるチームワークを活かしてスターティンググリッド以上の結果を狙う。
決勝:16位
今回の決勝レースは3時間のタイムレースで、通常の300kmレースと比較して約1.5倍の距離を走行する長丁場となる。レギュレーションでは2回の給油を伴うピットインが義務付けられており、レースは3スティントで争われることになる。戦略の自由度が高く、ドライバーやマシンの速さに加えて、チームとしての総合力が問われる一戦となった。
3時間の決勝レースは予定通り14時に静岡県警によるパレードラップで始まり、14時07分にローリングスタートによって口火が切られた。LMcorsaは河野選手をスタートドライバーに指名し7番手から上位進出を狙ったものの、オープニングラップの混乱の中で、666号車PORSCHE GT3R EVOに後方から接触される。このアクシデントにより4台に先行を許し、1周目を10番手で通過。その後も上位争いの集団の中でバトルが続くが、LC500 GTの持ち味である高速コーナーでのスピードを活かせず、ポジションを守る展開となった。8周目、9周目と立て続けにポジションを落とし、12番手に後退。さらに14周目、15周目にも複数台に先行を許し、ポイント圏外の16番手まで順位を下げた。
ライバル勢に比べると特にセクター3の低速コーナー区間で遅れが目立ち、コーナリング性能とトラクションに課題を抱えていた。防戦一方となるなか、26周目にタイヤの空気圧低下を知らせるアラートが発生。コース中盤までは走行を続けたが、ダンロップコーナー付近で空気圧がゼロとなり、車両へのダメージを避けるためスロー走行でピットへ戻ることとなった。
緊急のピットインとなったが、メカニックは迅速な対応で4本のタイヤ交換と給油を実施し、LC500 GTをコースへ復帰させる。本来は第2スティントで吉本選手へ交代する予定だったが、ピットインのタイミングが早まったことで河野選手がダブルスティントを担当することとなった。
ほぼ最後尾となる28番手でレースに復帰すると、慎重に周回を重ねていく。しかし状況は第1スティントと変わらず、特にセクター3でのロスタイムが大きく、ポジションを上げることができない。43周目に各車が1回目のピットストップを終えた時点で、順位は22番手となっていた。レギュレーションにより1人のドライバーの連続走行時間は2時間までと制限されている。そのため、残り1時間05分となった65周目に河野選手はピットイン。吉本選手へとドライバー交代を行ない、タイヤ交換と給油を実施した。
22番手でコースに復帰した吉本選手の背後には、88号車Lamborghini GT3が迫る。両車はテールトゥノーズの激しい攻防を20周以上にわたって繰り広げるが、吉本選手は巧みなブロックでポジションを守り続けた。レース終盤にかけて2回目のピットストップを行なうマシンが増えていくと、順位は徐々に上昇。79周目に19番手、94周目に18番手、96周目に17番手、100周目には16番手まで浮上し、ポイント圏内まであと一歩に迫った。しかし最後まで順位をひとつ上げることはできず、105周目に16位でチェッカー。
予選での速さを考えると上位進出も期待されたが、路面状況とタイヤのマッチングに苦しみ、さらにアクシデントも重なったことで厳しい内容となった。次戦までは約3ヶ月のインターバルが設けられている。この第2戦で浮き彫りとなった課題をしっかりと洗い出し、再び上位争いに加わるためのパフォーマンス向上が求められる。

