SGT Round2 FUJI 450km / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
ドライバー
吉本 大樹 選手
河野 駿佑 選手
今回のレースについて
3年ぶりに新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発令されていないゴールデンウィークとなり、行楽地などは多くの観光客で賑わっているという。
ゴールデンウィーク開催が恒例となっているAUTOBACS SUPER GT 2022 SERIESの第2戦「FAV HOTEL FUJI GT 450 km RACE」も多くのファンが集まり、目の前で繰り広げられる戦いを見届けることとなった。
第2戦の富士スピードウェイラウンドは例年、通常の300kmよりも長い500kmのディスタンスで競われてきたが、今戦は450kmの決勝レースとなり、5月3日(火)に公式練習と予選が、5月4日(水)に決勝レースが開催される。
昨シーズンはこの富士スピードウェイで開催された第2戦と第8戦の両方で勝利を飾ったLMcorsa。連勝している験の良いサーキットということで、是が非でも好成績を残したいとチームは士気高く今戦に挑んだ。
公式練習
走り始めとなる公式練習は3日の9時から10時45分の1時間45分にわたって行なわれた。3月末の公式テストや昨年のデータをもとにセットアップを決めてサーキットに持ってきたSyntium LMcorsa GR Supra GTだったが、路面コンディションと合わないのか想定外の状況に見舞われた。いつもの公式練習と同様に吉本大樹選手がマシンの状況とコンディションを確認していくが、マシンの反応が悪いというコメントが返ってくる。
出来る限りの調整を行なうが状況は改善せず、公式練習のスタートから50分ほどすると河野駿佑選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTのステアリングを握る。河野選手も厳しい状況の中で決勝レースを想定したロングランテストを実施したが、タイムもタイヤのグリップもベストにはほど遠い状況だった。
結果として公式練習では2人のドライバーが39周を走行し、1分37秒586がベストタイムでGT300クラスの28台中23番手のタイムとなった。
予選:11位
想定外の苦戦をしいられた公式練習のあとにはFCY(フルコースイエロー)の運用を試す10分間の走行時間が設けられていた。チームは公式練習の終了からFCYトレーニングの20分間で可能な限りのセットアップ変更を行ない、予選に向けて少しでも状況が改善することを祈った。
FCYトレーニングでSyntium LMcorsa GR Supra GTのステアリングを握った河野選手は公式練習の状態から大きく変わったことを報告し、チームはこのセットアップをベースにして予選に対して調整を加えていった。サポートカテゴリーの予選や決勝レースを挟み15時からGT300クラスの予選Q1がスタート。
今季もGT300クラスの予選Q1は出走するマシンがAとBの2組にわけられ、上位8台ずつが予選Q2に進出する。
LMcorsaはB組に振り分けられ予選Q1を担当した河野選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ。
アウトラップを含めて3周をウォームアップに使うと4周目からアタックを開始する。公式練習では1分37秒台をマークするのがやっとだったが、アタック1周目に1分36秒312をマークし、翌周もタイム更新を狙った。
セクター1ではやや遅れたがセクター2、3ともに自己ベストタイムをマークし1分36秒092を記録し、6番手のタイムで予選Q2への進出を果たした。
GT500クラスの予選Q1を挟んで実施されたGT300クラスの予選Q2は、16台のマシンがポールポジションを狙い競い合った。吉本選手はアウトラップから4周目までをウォームアップに使い、5周目にアタックを実施。
セクター1、2ともに河野選手と同等のタイムを刻むとセクター3でタイムを伸ばし1分35秒963をマークする。
翌周もタイム更新を狙ったがセクター3でタイヤのグリップが下がってしまい、結果として1分35秒963がベストタイムで予選を11位で締めくくった。
決勝:17位
決勝日の4日も好天となり朝から富士スピードウェイには強い日差しが照り付けた。決勝レース前のウォームアップ走行は13時10分から20分間で実施され、まずはSyntium LMcorsa GR Supra GTに河野選手が乗り込み、最後に吉本選手も最終的な確認を行なった。予選と同様にマシンの調子は良く、決勝レースに向けてチームの士気は高まる。
そして450kmの決勝レースは予定通りの14時30分にスタートする。スタートドライバーを務めた河野選手は3周目に1台をパスしてトップ10内に入ると5周目にも1ポジションアップし9番手となる。
その後も先行するマシンをテールトゥノーズで追いパッシングのチャンスを狙う。ただ、ストレートの速いGT3マシンのため抜ききれず、チームは20周目に1回目のピット作業を実施するために河野選手にピットインの指示を出す。Syntium LMcorsa GR Supra GTはピットに戻ると4本のタイヤ交換と給油を行ないドライバーは河野選手のままコースへ復帰する。
ライバル勢よりも早めのピットインとなったため23番手まで順位を落としてしまうが、25周目、26周目には立て続けに自己ベストタイムを更新し、先行しているマシンとのギャップを縮めていく。
30周前後になるとトップ10内を走っていたマシンが1回目の給油作業のためにピットへ戻っていく。河野選手は28周目には19番手、30周目には14番手、34周目には12番手まで浮上すると、さらにコース上でも先行車をパスする。38周目には8番手となるが、トップ3は1回目のピット作業を済ませていないため実質的な順位は4番手まで上がった。11番手スタートからすでに7ポジションを上げていて、レース後半の展開次第では表彰台もみえてくるほどの展開だった。
しかし、40周目にGT300クラスのマシンがクラッシュを喫したことでFCY(フルコースイエロー)が導入され、その後セーフティカーが隊列を先導。
100Rからヘアピンに掛けて起こったこのアクシデントよってコース脇のクラッシュパッドが損傷し修復が必要となる。そのため赤旗が提示されレースは中断となった。
20分ほどの中断を経て、レースは47周目にセーフティカーランで再スタート。2周のセーフティカーランのあとの49周目にグリーンフラッグが振られた。このタイミングで上位を走っていたマシンが規定のピット作業のためにピットレーンにマシンを進める。
するとSyntium LMcorsa GR Supra GTは5番手となり、いよいよ表彰台争いが現実味をおびてきた。
だが、その周の1コーナーで6番手のAMG GT3がブレーキングで止りきれず追突。この接触で5台にパスされてしまい一気に9番手までポジションを下げてしまう。河野選手はマシンの様子を確認しつつ周回を続けたが、マシンバランスが崩れたこととタイヤのグリップがなくなったため53周目にピットに戻る。
ドライバーは河野選手から吉本選手に替わり、4本のタイヤ交換と給油を行ないSyntium LMcorsa GR Supra GTはコース復帰する。接触によりマシンは手負いとなったが吉本選手は17番手から再浮上を狙った。だが、54周目にGT500のマシンがストレート上で激しいクラッシュを喫し、このアクシデントで2回目のレース中断となった。
マシンは大破し多くのパーツが飛び散ったことやガードレールの補修も必要となり、今度は1時間以上の中断となる。
2度のレース中断によって決勝レースの450kmを最後まで走り切ることが不可能となり、決勝レースは最大延長時間の18時20分がフィニッシュの時間となった。
最終的に18時10分にセーフティカーが先導しレース再開となるが、そのままセーフティカーランによってチェッカーが振られ、Syntium LMcorsa GR Supra GTは17位という結果となった。
一時は表彰台圏内もみえていたが追突とそれに起因したピットインは想定外の出来事で、結果的にはポイント圏外でのフィニッシュとなってしまった。