SGT Round4 FUJI GT 100LAP / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
SGT Round4 FUJI GT 100LAP / Syntium LMcorsa GR Supra GT #60号車
ドライバー
吉本 大樹 選手
河野 駿佑 選手
今回のレースについて
4月の第3週に2022年シーズンがスタートしたAUTOBACS SUPER GT。5月にはゴールデンウィークに第2戦の富士スピードウェイ、月末に第3戦の鈴鹿サーキットの2大会が実施された。
開幕戦から第3戦まではそれぞれ2週間ほどのインターバルで開催され、各大会の間にもタイヤメーカーテストが行なわれるなど、4月と5月は多忙なスケジュールとなっていた。
このように開幕前の公式テストから立て続けに走行スケジュールが組まれていたが、第3戦と第4戦に間は2ヶ月の間隔が設けられていて、3戦目までに得られたデータの見直しやマシンのアップデートなど第4戦以降の戦力アップを図るインターバルとなった。
GR Supra GTで2シーズン目を戦っているLMcorsa。開幕戦と第2戦は惜しくもポイント圏内でのフィニッシュを逃したが、第3戦では9位に入り2ポイントを獲得。
第4戦の舞台となる富士スピードウェイは、昨シーズン2勝を挙げている験の良いサーキットで、GR Supra GTとの相性は抜群のコース。
3戦目までは思い描いたレース展開とならず苦戦をしいられたが、チームは第4戦での活躍を期するためにマシンのバランス改善や多少のアップデートを実施しサーキットに入った。
公式練習
レースウィークの走り始めとなる公式練習は9時から10時45分までの予定が組まれていた。
6日の富士スピードウェイは早朝から濃い霧に覆われていて、公式練習の前に予定されていたFIA-F4選手権の予選はキャンセルとなった。直後に行なわれる公式練習も予定通りの実施が危ぶまれたが、霧は次第に薄くなり9時にスタートする運びとなった。
それでもコース上は霧によって濡れてしまったため、レインタイヤを装着できるウエット宣言が発令された。LMcorsaは路面が乾くタイミングを待ち走行を開始する。まずは、吉本大樹選手が車両の状況と持ち込まれたタイヤの確認を行ない、周回を重ねていく。15周を走行した時点で河野駿佑選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込む。
河野選手は決勝レースを想定したロングランテストを実施し、公式練習の最後まで走り切った。
結果として吉本選手がマークした1分38秒552がベストタイムとなり、GT300クラスの25台中22番手で、思い描いたリザルトとはならなかった。
公式練習後にはFCY(フルコースイエロー)のテスト走行とサーキットサファリが各20分ずつ実施され、予選でパフォーマンスを発揮するためは、さらにセットアップを煮詰めていく必要があった。
予選:7位
サーキットサファリ終了から約3時間のインターバルを経た15時からGT300クラスの予選Q1が行なわれた。今回もGT300クラスの予選Q1は2組にわけられていて、LMcorsaはAグループに振り分けられた。
Syntium LMcorsa GR Supra GTには河野選手が乗り込み、予選開始とともにコースに入っていった。
河野選手はアウトラップと計測2周をウォームアップに充てて3周目からアタックを開始すると、まずは1分37秒028をマーク。
この時点でAグループの13台中2番目のタイムとなる。翌周には1分36秒974をマークし、ベストタイムを更新。結果として6番手で予選Q1を突破した。
GT500クラスの予選Q1を挟んで、GT300クラスの予選Q2がスタート。
Syntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ吉本選手は、計測3周目にアタックを行なうと予選Q1を上回る1分36秒646を記録する。
翌周もセクター2までアタックを行なうが、タイヤのピークグリップを超えていると判断しピットに戻った。
結果としてGT300クラスの25台中7位となり、決勝レースは今季最上位となる7番グリッドからのスタートとなる。
決勝:4位
12時30分からは予定通りに決勝レース前のウォームアップ走行が実施され、Syntium LMcorsa GR Supra GTには2人のドライバーが乗り込み最終確認を行なった。
ウォームアップ走行時の天候は曇で路面はドライコンディションだったが、スタート進行が始まるとサーキットは雨雲に包まれ、大粒の雨が落ちてきた。この通り雨によって路面は濡れてしまったが、レインタイヤを履くほどではなく、全車がスリックタイヤで決勝レースのスタートを迎えた。
今戦は通常の300kmレースより約150km長い100周で競われ、レース中に2回のピットストップが義務付けられている。また、ドライバー1人あたりの周回数はレース距離の1/3以上となっていて、ピットタイミングなどのチーム戦略が勝敗を左右する可能性もあった。
決勝レースは予定していた14時にフォーメーションラップによって始まる。スタートドライバーを務めた河野選手は、オープニングラップから快走をみせる。
1周目に96号車のRC F GT3をパスすると、翌周にも18号車のNSX GTをパスし5番手に浮上。
5周目には自己ベストタイムの1分39秒018をマークし、先行するマシンに肉薄する。だが、トップ10内を走るライバルマシンはストレートスピードやパワーに勝るGT3勢で、簡単に抜くことができない。
10周を過ぎても拮抗したレースが続くが、14周目になると11号車のGT-R NISMO GT3にパスされてしまう。15周を過ぎると1回目のピット作業を行なうマシンが出始める。チームは20周目に河野選手をピットに呼び戻し、4輪のタイヤ交換と給油を行なう。ドライバーは河野選手のままで、Syntium LMcorsa GR Supra GTは17番手でコースに復帰する。
20周を超えると、上位陣も徐々に1回目のピット作業を行なうためにピットレーンにマシンを進める。25周目には15番手、30周目には9番手まで順位を戻し、トップ3と遜色ないラップタイムで周回を重ねる。40周目には4番手まで浮上すると、全車が1回目のピット作業を終えた45周目には2番手まで順位を上げていた。河野選手はスタートからすでに1時間半ほど走行を続けていたがラップタイムは衰えることなく、後続とのギャップも維持する。そしてチームは56周目に河野選手にピットインの指示を出す。
ピットでは4本のタイヤ交換と給油を行なうとともにドライバーを吉本選手にチェンジ7番手スタートから大幅に順位を上げてきたので吉本選手のスティントも期待されたが、路面コンディションの変化なのかペースが伸びない。それでも60周目には87号車のHURACAN GT3をパスしてトップ10内に入ると、先行するマシンが規定された2回目のピットインを実施していく。
65周目には7番手まで順位を戻すが、後方からストレートが速いGT3勢にプレッシャーをかけられることになる。それでも吉本選手は巧みなドライングでポジションをキープし、全車が2回目のピット作業を終えた79周目には4番手となっていた。終盤はオープニングラップでパスした96号車がテールトゥノーズで迫ってくるが、最後まで隙をみせず90周目に4位のままでチェッカーを受けた。